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注文住宅で本当に安心を得るには─耐震等級3と構造計算の話

2025/11/18

家づくりにおいて「耐震性」は、安心と直結する大切な要素のひとつです。
特に南海トラフ地震などが懸念されるここ大阪では、住宅の構造的な強さに関心を寄せる方も少なくありません。

中でも「耐震等級3」という言葉をよく目にするようになりましたが、
実はこの評価にも複数の設計手法があり、裏付けの内容には違いがあります。

では、同じ「等級3」のなかでも、どのような違いがあるのでしょうか。

目次

同じ「耐震等級3」でも、設計の中身には違いがある

耐震等級3を取得するための2つの構造計算方法

住宅の安全性は、数字で確認できる安心から

同じ「耐震等級3」でも、設計の中身には違いがある

まず、耐震等級とは、住宅が地震にどれだけ耐えられるかを示す指標です。

  • 等級1:建築基準法で定められた最低限の耐震性(阪神淡路大震災クラスの地震で倒壊しないレベル)

  • 等級2:等級1の1.25倍の地震力に耐える設計(学校・病院レベル)

  • 等級3:等級1の1.5倍の地震力に耐える設計(消防署など防災拠点レベル)

 

このように、等級3は最上位の耐震性能とされていますが、実はその評価には複数の計算方法があるため、

構造の裏付けとしての精度には差が出てくるのです。

耐震等級3を取得するための2つの構造計算方法

住宅の耐震性能を評価するには、主に以下の2つのアプローチがあります。

 

【1】性能表示制度による評価(性能表示計算)

  • 品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に基づいた制度

  • 壁量や配置バランスを確認する設計方法

  • 接合部や横架材などの検討は標準的な想定値を基にするケースもあり

  • 近年の法改正により、屋根荷重の実荷重評価など、精度は向上している

 

【2】許容応力度計算による評価(構造計算)

  • 建築基準法で定められた詳細な構造計算方法

  • 柱・梁・壁・接合部・基礎など、すべての部材にかかる力を数値で検証

  • 部材強度や変形、剛性、座屈まで確認し、耐震等級1〜3すべての取得が可能

 

両者とも「耐震等級3」を取得することはできますが、 検証している項目や設計の深さには大きな違いがあるのです。

また、この2つ以外に、建築基準法に基づく「仕様規定(壁量計算)」というものがあるのですが、これだけでは、原則として耐震等級3は取得できません。

 

住宅の安全性は、数字で確認できる安心から

これからの家づくりでは、「何を根拠に安心を語るのか」がますます問われる時代です。

 

当社では開業時より、全棟で許容応力度計算を実施し、耐震等級3を標準仕様としています。

これは、目に見えない構造の裏付けまで確かめる“静かな設計思想”であり、

将来にわたって安心して暮らせる住宅をお渡しするためです。

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