blog
デザインと住み心地を両立するパッシブデザインのはなし|夏の日射遮蔽
2026/09/24

パッシブデザインとは、特別な機械に頼りきるのではなく、太陽の光や風といった「自然のエネルギー」を建物の設計そのもので上手にコントロールし、快適な室内環境をつくり出す手法のことです。
高気密・高断熱な住宅は、一度温まった空気を逃がさない優れた保温性を持っています。 しかし、ここで一つ大切な注意点があります。
それは、「夏の強い太陽光を一度室内に採り込んでしまうと、高性能な家ほど熱がこもって逃げにくくなる」という点です。
どれほどエアコンの性能が良くても、室内に入り込む強い日ざしを放置していては、冷房効率が落ち、光熱費の負担も大きくなってしまいます。だからこそ、「部屋に入る前に太陽の熱を遮る(日射遮蔽)」という設計の工夫が不可欠になります。
日射遮蔽において、最も美しく効果的な役割を果たすのが「軒(のき)の出」です。
太陽の軌道は、季節によって大きく変わります。
夏の太陽:頭上高い位置を通る(昼前の南中で約78度〜80度と高い角度)
冬の太陽:低い位置を通る(南中で約30度〜32度と低い角度)
この角度の違いをプロの視点で綿密に計算し、軒の出の深さを割り出します。
敷地の条件や窓の高さにもよりますが、南面の窓に対して「窓の高さの約3割(例えば高さ2mの窓であれば、軒の出は70cm〜90cm程度)」の奥行きをしっかり確保することで、夏場の真上から照りつける強烈な日ざしを庇(ひさし)のようにカットできます。
一方で、角度の低い冬の柔らかな日ざしは、軒下に遮られることなく部屋の奥まで深く差し込み、お部屋を自然の暖かさで包み込んでくれます。
つまり、絶妙な深さで設計された軒は、「夏は庇(ひさし)、冬は温室」の役割を自動で果たしてくれるのです。
「軒を大きく出すと、和風になりすぎたり重たい印象になりませんか?」 とご質問をいただくこともございます。
確かに昔ながらの深い軒は伝統的な和風建築の象徴でもありますが、私どもREALIZEでは、現代の洗練されたモダンデザインに溶け込むよう、屋根のラインを薄くスマートに見せる納まり(仕上げ)を追求しております。
美しい水平ラインを描く外観デザインでありながら、室内に入れば真夏でも直射日光が入らず、サラッとした涼しい空気が広がる——。
見た目の美しさ(意匠性)と、科学的に計算された暮らしやすさ(住宅性能)が一つに重なり合ったとき、本当の意味で「心から寛げる住まい」が完成すると私どもは考えております。
家づくりをご検討される際は、間取りやインテリアのテイストはもちろんのこと、「太陽とどう付き合うか」という敷地ごとの日照シミュレーションにも、ぜひ目を向けてみてくださいね。
「自分たちの建てたい土地だと、どんな軒の出し方がベストなのかな?」 「実際の見学会で、室内に入り込む光の入り方を見てみたい」
そんな疑問やご興味がございましたら、いつでもお気軽にお声がけください。
本日も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

CONTACT