１. キッチンでの「無駄な動作」の発生

最も頻繁に後悔として聞かれるのが、LDKにおけるスイッチの配置です。

私自身の失敗としても、キッチンのメイン照明スイッチをリビング側の壁に集約してしまった経験があります。

調理を始めようとしてから照明の点け忘れに気づき、わざわざ数歩戻って操作する動作が、毎日の地味なストレスとなりました。

教訓: キッチンへ入る「入り口」と、作業を始める「作業スペース付近」の両方で操作できる３路スイッチの検討が不可欠です。

スイッチを目立たせたくないという思いから、全てを一つの壁に集約したり、家具の配置を考慮せずに配置したりすると、以下のような問題が発生します。

• 外観の乱れ: スイッチプレートが壁一面に並び、空間のデザイン性を損ねる。

• 操作の不便: 配置した家具やドアの開閉によって、スイッチが隠れて押しにくくなる。

寝室の照明スイッチを入口のみに配置した場合、ベッドに入ってから消すために起き上がる必要があります。

特に広い寝室では、この「ベッドからの離脱」が、リラックスタイムの妨げとなります。

 設計担当による「図面同居シミュレーション」

REALIZEの設計担当は、お客様の図面を単なる平面図ではなく、「生活の舞台」として捉えます。

お客様の図面の中に「住んでみる」シミュレーションを行い、「朝起きてから寝るまで」の動作を一連の流れとして確認します。

特に「食材を手に持った状態で、スイッチが押せるか」といった、具体的な状況まで想定し、無駄な動作が発生しないかを検証します。

 デザインと利便性を両立させる工夫

• 集約と整理: スイッチをバラバラに配置せず、ニッチ（壁のくぼみ）などを活用して目立たない位置に集約し、美観を保つ提案を行います。

• 機能性の導入: 外出時に全ての照明を消せる「一括集中スイッチ」を玄関付近に提案し、消し忘れの不安を解消します。

「家族の未来」を見据えた提案

スイッチの高さは、現在のお子様の成長や、将来の身体的な変化まで想定して決定します。

また、照明の調光機能（明るさの調整）など、空間の用途が変わった際の柔軟性を持たせる提案も、後悔を防ぐ重要な要素です。

照明スイッチの配置は、注文住宅における細部へのこだわりが最も試される部分です。

私自身、施主として後悔を経験したからこそ、REALIZEの「お客様の未来の動作まで想像して設計する」という姿勢に、強い共感を覚えています。

このブログを通じて、皆様には私のような後悔をしていただきたくありません。REALIZEは、お客様の心と視点に寄り添い、最善の道を見つけ出すお手伝いをさせていただきます。